道の駅ビジネスのメリットとデメリット
- 2020.11.28
- イカの駅

おはようございます、たかひろです。能登町にあるイカの駅つくモールの駅長や、のとマートというECサイトの運営や、のとりっぷという能登半島に特化した観光サイトの運営を行っています。
以前あるクラウドファンディングを支援させていただき、その返礼品である「世界最薄級、1 mmスマホグリップgoBlet」が届きました。

早速使ってみたところかなり良い感じだったのでおすすめです。goBletはいずれアマゾンで出品すると言っていたので興味があれば買ってみて下さい。
今日の記事はgoBletのレビュー記事ではありません。
アイディアはただの優先権

さて、冒頭のクラウドファンディングのように、開発した商品の販売先を事前に確保することでリスクヘッジを行える時代になりました。
一方アイディアに目を付け資本で競合を駆逐する大手の脅威は変わらず身近にあります。
競合ひしめき合う世界で戦う企業は、常に大手に真似のできない部分を探していると思います。いわゆる差別化というやつ。
この世界ではアイディアは個人や会社のものではなく、ただの優先権でしかないのだと思います。
同僚がアイディアを先に形にした
若い頃あるアイディアを酒の席で話していたら周りが「それいいね、絶対面白い」というので、アイディアを上司に提案したことがあります。
ところが別の形に(僕のアイディアよりも良く)なって既に上司には提案されていました。驚きと怒りがこみ上げましたが、暫くしてアイディアはただの優先権だと理解できました。
道の駅ビジネスのメリット
田舎のビジネスにおける最大の利点は土地だと思います。
ここで言う土地は面積や価格のほかに土地柄も含まれていて、特にこの土地柄と言うのが最大の利点にもなります。土地柄は風習とか状態を指します。
参入障壁が高すぎる

多くの道の駅は行政が建設し民間企業が運営する指定管理者制度を導入しています。指定管理は公募で行われるのが殆どですが、その際他の地域の方は参加できません。
つまり実績や資本力をもった大企業でも手を挙げる事すらできません。では指定管理の為に支店や支社を地域につくろうかと言っても、そういったことでもありません。「地域を盛り上げます」と言ったところで警戒されてお終いです。
怖がらせないことが第一
田舎に限らず、多くの人が熱量ある人間によってこれまでの平穏な暮らしを奪われるのが一番迷惑だと思っています。取り組みが良いとか悪いではなく単純に知らないことが恐怖なのだと思います。ですので社外に理念云々を語る前に、まずは恐怖心を解くことが最優先となります。
僕は駅長になってから地域の新年会に行き、連日地元の飲食店で飲み食いし、酒の席で怒られ、それでも飲みに行き、イカの荷揚げに足を運びます。3か月に1度は全従業員を連れて飲み歩き、毎月社員と飲食をしています。
従業員も地域の人が殆どなので、ここで理念や目標の多くを語っています。仕事を通じて日々錬磨し合う社内は、社外に比べ僕の声が通るからです。
道の駅ビジネスのデメリット
競合の参入が難しい高い障壁に守られた田舎のビジネスに携わる僕が常に抱えている不安は競合の存在が身近にいないことです。贅沢な事ですが競合がいないというのは良い事でもあり悪い事でもあります。
大手から生産者を守る役目
道の駅で最も売り上げの多いのが物販だと思います。多くの道の駅が独自の戦略で物販を盛り上げ、集客と売り上げの数値を担っていると思います。
イカの駅の物販には2つのルールがあります。
- 能登の素材をつかっている
- 能登に会社(生産や加工所、営業所)などがある
ここで言う能登は宝達志水より上です。
これはイカの駅に大手が参入し地元生産者の商品を駆逐することの予防線であり、商品ののラベルには生産や販売に能登の業者以外がいないというイカの駅ブランドのためでもあります。
仮に大手が参入しようとすると高い確率で僕のように多くの時間とお金を費やし、アルコールを摂取しなければならなくなります。
イカの駅にも突然来られて営業される方がいますが、恐らくこの事を考えずに商品価値で納得してもらおうと考えているのだと思います。
多くの商品のクオリティーが高くその気持ちは十分わかるのですが、従業員37名のうち97%が地域の方で、彼らが地域の代表でもあることを忘れずに営業を仕掛けた方が良いと思います。
つまり余所者のあなたは恐れられていて、商品を誰も見ていないということです。
経営目線での不安
ここまでは地域の目線ですが、経営する側としてはこの閉鎖的なシステムが不安になることがあります。外部の参入を遮断することで取り残されてしまわないかという不安です。
現に他社の取り組みを見たときに次手の失敗が予測できることがあり、それは組織や地域性の閉鎖的な部分が大きく影響しているなと思うことがあります。
このリスクを承知の上で大局観を見誤らずに物事を進めていく必要があり、これこそ道の駅ビジネスの肝だと思います。
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